『オヨビでない奴!』の撮影もスタートし、忙しくなってきた頃です。

その日は都内で雑誌の取材があっただけで、めずらしく早く終わりました。

午後3時ごろだったでしょうか。

良明が原宿のムラサキスポーツに行きたいと言いました。

murasakisports

良明と僕はタクシーに乗り、竹下通りにあるムラサキスポーツに行きました。

良明は店内をみまわし、スケボーコーナーを見つけスケボーを丹念に見ていました。

お店には20分ほどいたと思います。

特に何も買わず、お店を出ました。

お店を1歩出ると竹下通りなので、かなりの人で賑わっています。

ある女の子が良明に気が付き、サインをお願いしに来ました。

良明と僕は数日前に、ファンの子が来たら絶対にサインとか握手をしてあげようと決めたばかりでした。

良明はファンの子に話しかけながら、一生懸命サインを書き始めました。

5人目くらいの時だったでしょうか。

女子中・高生の大勢が一斉に高橋良明に気づき、竹下通りにいる全員がこちらを振り返ったような錯覚に陥りました。

takeshitatoori

良明もその雰囲気に気が付いたようですが、まだ懸命にサインを書いています。

さすがにやばいと思い、僕はサインをストップしました。

良明は次の順番の子たちに、書けなくてごめんねと謝りました。

 

ムラサキスポーツから竹下口まではたったの100Mくらいですが、

高橋良明に気づいた人が凄く、人波をかき分け逃げるように大通りに出ました。

運よく、すぐにタクシーがつかまったので、2人で飛び乗りました。

良明と僕はタクシーの中で息を切らしていました。

良明が「池田さん、ルールを決めましょうか。」と言いました。

「僕がファンの子のサインを断ると傷つけちゃうとかわいそうなので、

2-3人書いたころに、池田さんが止めてもらえますか。」

僕は「そうしよう」と言い、良明と約束しました。

世間では高橋良明の人気が凄いことになってるんだと、あらためて気付かされた出来事でした。