高橋良明主演「オヨビでない奴!」の撮影がスタートして、まだ間もないロケの時です。
その日はうだるような暑さの猛暑日でした。
全員がタオルを片手に汗だくの状態です。
撮影現場の近くにロケバスを止めていたのですが、
エンジン音を音声さんが拾ってしまう・・・ということで車のエンジンをかけられないため、
ロケバスに戻ってきてもエアコンが効いていません。
良明は、1シーン空きがあるということで、汗だくでロケバスに戻ってきました。
戻るなり、「池田さん、手伝ってもらっていいですか?」とのこと。
「もちろん。何をしたらいいの?」と聞いたところ、
「出演者とスタッフ全員にお茶を配りたい」と言いました。
仮にもドラマの主役が、スタッフ全員にお茶配りなんて想像したこともなかったのでびっくりしましたが、
そんな優しいところが嬉しくなり、一緒に手伝いました。
僕は、ロケバスに設置してある冷たいお茶を紙コップに入れる係で、良明は炎天下の中、出演者とスタッフ全員にお茶を配りました。
出演者、スタッフと一口で言っても、カメラマンさん、音声さん、メイクさん、タレントさんに付いているマネージャーさんなどたくさんの人がいるため、総勢50人以上に配ったと思います。
両手で紙コップ3-4個しか持てませんので、ロケバスと撮影現場を10往復以上した計算です。
良明は「お疲れ様です」と声をかけながら全員に笑顔で配っていました。
ほとんど出突っ張りで休み時間がなく、貴重な空き時間だったはずなのですが、
お茶を配っている良明は本当に生き生きしていて、輝いていました。